バックテストとプロフィットファクター

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有名なEAの評価指標に「プロフィットファクター(PF)」があります。

しかしバックテストスコアの評価式では、プロフィットファクターの値は評価に一切影響ありません。

その理由はこの記事を読んでプロフィットファクターの性質を知っていただければ察してもらえるのではないかと思います。

 

プロフィットファクターとは?

プロフィットファクターとは、EAなどの売買システムを評価する指標の一つです。

総利益(全ての利益の合計)÷総損失(全ての損失の合計値)で算出することができます。

 

総利益の額が総損失の額より大きい場合、プロフィットファクターは1より大きくなります。

逆に総損失が総利益より大きい場合は、プロフィットファクターは1より小さい値となります。

総利益と総損失が同じ金額の場合は、プロフィットファクターは1となります。

 

例 総利益200万円、総損失100万円のEA

プロフィットファクター = 200万 ÷ 100万 = 2

 

利益が大きく、損失が小さいほどプロフィットファクターは大きな数値になるため、一般的にプロフィットファクターが大きい売買システムほど良いと考えられています。

 

プロフィットファクターが大きいからといって良いEAとは限らない

先程「一般的にプロフィットファクターが大きい売買システムほど良いと考えられています。」と書いたばかりですが、実はプロフィットファクターが大きい=良いEAとは言えません。

プロフィットファクターが大きすぎるEAは逆に使い物にならない場合があります。

 

プロフィットファクターの大きなEAは簡単に作れる

意外かもしれませんが、プロフィットファクターの大きなEAを作るのは難しくありません。

例えば下記のロジックでEAを作ったとします。

① 稼働直後に買いエントリーする。TPは100pips、SLは無し。

② ①のポジションが決済されたら買いエントリーする。TPは無し。SLは1pips。

③ ②のポジションが決済されたら以後ポジションを持たない。

 

さて、このEAを10年ぐらいバックテストするとどうなるでしょうか?

適当にエントリーしたポジションですが、10年も動かしていれば①のポジションはTPにかかるでしょう。

意外とすぐに利食いされるかもしれませんし、何年か含み損を抱え続けるかもしれませんが、テスト期間が終わるまでに決済されてくれれば問題ありません。

その後の②のポジションはスプレッドもあるのですぐ決済されるはずです。

②が決済されたら、あとはバックテスト期間が過ぎるのを何もせず待つだけです。

これにより結果は総利益100pips、総損失1pipsとなり、プロフィットファクターは100となります。

 

…と、極端な例ですが簡単なロジックで高いプロフィットファクターのEAが作れます。

問題はこのEAがはたして使い物になるかという点です。

①のポジションには損切りの設定がないので、含み損をいくら抱えるか分かりません。

そのためかなり余裕をもって資金を投入しておく必要があります。

上記のロジックで稼げるのは合計99pipsですが、99pips稼ぐまでに数年単位でポジション保有する可能性があります。

大量資金を投入して数年で99pipsでは、資金効率の良いシステムとは言いにくいですね。

 

プロフィットファクターが大きすぎるEAは怪しい

先程の例はかなり極端な事例でしたが、プロフィットファクターを高めるためのアプローチというのは色々存在します。

 

まずはじめに、損切りさえしなければプロフィックファクターは大きくなります。

損切りさえしなければ、分母にあたる総損失が小さくなるためプロフィットファクターは大きくなります。

そのためプロフィットファクターの大きいEAにはSLが設定されていないものが多いです。

もし一度も損切りしていないEAだと、総損失が0となりプロフィットファクターは計算不能な値となります。

しかし損切りしないということは損益がプラ転するまで含み損を長期間保有するということですので、資金効率は逆に悪くなる場合もあります。

また、この方法は一回毎の利益が小さい割に、含み損で破産のリスクがあるため、かなり危険なタイプのEAです。

 

次に、損切りしない方法の発展形で、ナンピンしてトータルプラスで決済するという方法があります。

この方法ではトータルプラスであればポジションのうちの1つや2つがマイナスでも決済するので、総損失が全くの0にはなりません。

そのためプロフィットファクターは高すぎることもなく、且つ他のEAよりはちょっと高い、そんなプロフィットファクターに収めやすいロジックです。

しかしこの方法は1ポジで損切りしないEAよりも凶悪です。

ナンピンするため破産しないための証拠金がさらに必要になりますし、もしナンピン後に逆行でもしたら資産はマッハで消えます。

 

上記のように、プロフィットファクターが高いEAを簡単に作る方法はありますが、それによって作られたEAが=良いEAとは言い辛いのです。

 

プロフィットファクターが大きい=儲かるとは限らない

プロフィットファクターが大きい=良いシステムとは言えないということを説明しましたが、そもそもプロフィットファクターが大きいEAが儲かるかと言われるとそうでもありません。

例えば「プロフィットファクターの大きなEAは簡単に作れる」で説明したEAは、プロフィットファクターは100でしたが、10年で合計99pipsしか稼ぎませんでした。

もし10年で総利益11,000pips、総損失10,000pipsのEAがあったとすると、このEAのプロフィットファクターは1.1です。

しかし利益で見てみると11,000 – 10,000 = 1,000pipsと、例に挙げたプロフィットファクター100のEAよりも稼いでいることになります。

 

プロフィットファクターが大きければ大きいほど、1回の取引での期待利益も多きくなります。

しかし、そもそもの取引回数が少ないとプロフィットファクターが大きくても大きな利益を出すことはできません。

逆に、プロフィットファクターが小さいEAでも取引回数が多ければ、プロフィットファクターの大きなEAより利益を出すことは可能なのです。

 

総括

今回の記事ではプロフィットファクターの性質についてまとめてみました。

しかし、プロフィットファクターについて書けば書くほど使い物にならない指標ですよね。

なんでこんな指標がメジャーになったのか謎ではあります。

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